なに?これ!
大阪の民族学博物館で開かれていた「民具のミカタ博覧会」で出会った逸品!
何だと思いますか、これ!どこで、誰が、何のために使ったモノか。これが実に楽しいのです。
どこで=アフリカのウガンダ。誰が=村の男たち、何のために=お酒を飲むために。そう、これは酒器なのです。
中央の大きな口の周りに9個の小さな口が開いています。どうやってお酒を飲むのでしょう。考えてみて下さい。わかった人はすばらしいです。正解は、車座に座った男たちが、それぞれ長いストローを穴に差し込んで、中の酒を吸って飲む、です。その様子を想像してみて下さい。楽しくなります。壺に差し込まれた長いストローの先を覗いてみたら、小さな編み籠のフィルターが着いていました。消防のホースの先に着いている竹の籠、あのイメージです。その超ミニチュア版。つまりこの壺で醸造した酒を、そのまま飲むということなのです。ふやけた穀粒をフィルターで濾して酒を飲む。では、目詰まりしたら?色々考えてみましたが、吸わないで吹くのが一番かな。飲みながらどんな話をするのかな?アルコール度はどのくらいかな?考えているとどんどん想像が膨らみます。共同体の構成員の連帯感を醸成するという共同飲酒、それが生み出した器の造形。ウガンダに脱帽です。誰か趣味で焼物やっている人、この壺の複製作ってくれないかな。とりあえず周りの穴は5つくらいでいいので。